最近の不動産テックで盛り上げを見せる業務支援ツールの現状と今後

不動産テックにもスペースシェアリング、マッチング、VR・AR、リフォーム・リノベーション、不動産情報、価格可視化・査定、生成AIなど様々な分野があります。その中でも業務支援系の不動産テックの開発がもっとも盛んです。その理由の一つは、その効果が見えやすいところ。例えば、マッチング、VR・ARなどについては、その効果・結果については、複合的な要素(例えば、営業努力など)があり、エンドユーザーにとっては有益な情報であることは分かるが、効果検証が難しい面があります。業務支援の具体的な内容は幅広く、物件情報入力のサポート、登録した物件を各不動産ポータルサイトへアップロード、間取り図の作成、メール等による自動追客、問合せ内容のCRMへの自動取込み、重要事項説明書作成、賃貸・売買契約書作成などがあります。これら業務支援ツールは自社開発を行っている会社は少数派で、大手を含め、ほとんどの会社で、外部のサービスを利用しています。日常業務の時間短縮については、非常に有効ですが、ナーチャリングの場面では、時間の経過とともに各社のサービスの使いこなし(スキルレベル)による差は少なくなり、競争力を高める上ではボトルネックとなる可能性があります。今後、業務支援について、契約前と契約後に分けた場合、後者については多くの会社が利用する外部のサービスが引き続き有効ですが、前者については独自に開発する力が、今後の勝負の行方を分けると思われます。