不動産のAI査定

不動産価格をAIが判定するサービスが増えてきている。これまで不動産価格の算出は、主に比較法という手法を用いて、不動産の営業担当者が行ってきた。しかし様々な業界でITやAIを用いたサービスが盛んになる中、メールや電話、自宅の訪問などのやりとり無しで、ウェブサイト上で素早く、自宅の不動産価格を知りたいというユーザーが増えた。それに応えるサービスの一つと言える。
仕組みとしては、一般的なAIと同じく、大量の過去の取引データ(成約物件)をAIが学習し、ユーザーから入力された査定物件の所在地や広さ、築年数などの情報を元に算出される。しかし、そこで課題になるのが、価格の精度。不動産は、一般的な商品とは異なり、まったく同じものが、一つとして無い。とくに一戸建てと土地については、所在地や広さなどの条件以外に、周囲の建物の状況や敷地と道路との高低差、古家の有無、古家の構造の違いなど個別要素が多い。取引データと査定物件の類似性が低いことが多く、AIにとって難易度が高く、現時点では、一戸建てや土地の売却の際は、不動産会社に人による査定を依頼した方が無難と言える。ただ。今後は、Googleマップのストリートビューや現地写真から個別の条件を勘案し、より精度の高い査定価格を算出するサービスが出現する可能性もあり、発展が楽しみである分野の一つであることは間違い無い。